前向きな喪失感 水槽のクジラ
インディーズバンドは大きく2つに分けられる。
爆音や手数で勝負して「なんかかっこいい」を醸し出してやっていくバンドと悲観的・悲壮的な歌詞でメンヘラ、サブカル好きを集めるバンドの2つである。
大概前者には男が後者には女のファンが集まる傾向にある。
その2つをうまいこと両立させて成功させたのがsyrup16gなのであろう。(ファンの方違ったらごめんなさい)
方向性としてはそういうところを目指しているのであろうバンド「水槽のクジラ」を紹介したい。
(ただsyrup16gとは似てもつかないのでそこは悪しからず。そういうのが聞きたい人はpegmapを聞いていよう)
水槽のクジラは2012年に東京で結成されたバンドである。
「熱の滲む轟音、綺麗だった憧憬、希望の歌を。」とホームページに記している。
轟音かどうかは疑問だがドラムはとても魅力的である。かっこいい。
しかし僕が水槽のクジラの一番の魅力だと思う部分は聞いた後の「喪失感」である。
僕は基本的に曲を聞き終わった時の感覚はすごい大切だと思っている。
安っぽい喪失感なら前述したサブカル女子御用達バンドも十分味合わせてくれる。
しかし水槽のクジラを聞いた後の喪失感はそれらとは違うのである。
喪失感を感じながらもそれは決してマイナスのものではなく、どこかすっきりとしたものを感じさせてくれる。
正しいたとえかはわからないが言ってみれば断捨離を行った後のような感じである。(これであってんのかな)
ただ前向きな言葉を並べるだけとは一味違う「希望の歌」
それこそが水槽のクジラのよさではないだろうか。