ライブだからこそできる「演目」 深居優治
ライブと言えば普通は
2,3曲歌う→MCする→2,3曲歌う→またMC→……
というように曲とMCを交互にやっていくものだろう。
(中にはamazarashiみたいに一切MCを挟まずに時間いっぱい歌い続けるアーティストもいるが)
深居優治は既存のライブという形に当てはまらない。
シアトリカルトロニカというオリジナルのジャンルを開拓し、ライブを行っている。
どんなものなのか説明するのはなかなか難しいのでとりあえず実際のライブの様子を見てもらいたい。(始めの2分間ぐらいはまだライブ準備中なので飛ばしてほしい)
たぶん最後まで見た人はいないと思うので説明をしていこう。
深居優治は自身のライブを「演目」としている。
まさしく「演目」にふさわしいライブ内容であり、全体を通して一つの劇を見ているようである。
歌うだけではなく合間に語りをいれる。会場全体を動き回る。
大量のエフェクターを使い、声の加工やループと言った様々な技術を使い、見るものを虜にしていく。
ぶっちゃけ深居優治の曲一つひとつは他のインディーズに比べて耳にも残らない。
歌詞もamazarashiの影響を大きく受けているような内容で、劣化amazarashi感は否めない。
しかしライブの内容はその辺のインディーズバンドではとても太刀打ちできるものではない。
一つひとつでは弱い曲だがライブを通してそれらが一つにまとまることでとてつもない力を発揮して見せる。
一曲ずつぶつ切りで聞くことの多いCDでは見せることのない魅力が深居優治のライブには込められている。